瀬戸内のエコな話題をお届けする「エコナビ」です。今回のテーマは「使用済みの食用油」です。実はいま使用済みの食用油がエコなものに生まれ変わり地球環境を守っています。岡山市で広がる取り組みを取材しました。
金属や古紙など様々な不用品を引き取る岡山市の資源集積ステーション「えこ便」。4月新たに始まったのが使用済みの天ぷら油の回収です。
(森下花音アナウンサー)
「油を持ってくるポイントは?」
(えこ便 山本真奈さん)
「こして冷ましてペットボトルに入れて持ってきてください」
天ぷら油を持ち込むと1キロあたり10ポイント。この油は0.3キロなので3ポイントでした。1ポイントは1円分なので、3円分の「ポイ活」です。1週間に約300本持ち込みがあるといいますが…
(森下花音アナウンサー)
「これは色が濃くてかなり使われた油ですね」
実は油はこのあとあるエコなものに生まれ変わるんです。食品リサイクルなどに取り組む岡山市のバイオディーゼル岡山です。えこ便のほか、学校給食やコンビニで使った油など県内約600の施設から使用済みの油が集まっています
(バイオディーゼル岡山 辰巳伸治さん)
「ここが油をリサイクルする工場。不純物を取り除き薬品を使う」
使用済みの食用油にメタノールと水酸化カリウムを混ぜた薬品を入れると。不純物が下に溜まり出来上がるのが車などのエネルギーとなるバイオディーゼル燃料です。岡山県ではバスやごみ収集車、温水プールの燃料として使われていますが、天ぷら油は菜種や大豆など植物由来であるためこの燃料を使うと二酸化炭素の排出量は実質ゼロと考えられ、環境にやさしい燃料として需要が高まっています。
(バイオディーゼル岡山 三戸篤史工場長)
「(天ぷら油の燃料は)車両用として元々あったが今は船舶や航空燃料で使うのが世界の動き」
すでにヨーロッパでは天ぷら油を飛行機の燃料として利用する航空会社も。日本でスタンダードとなる日も遠くないといいます。
(バイオディーゼル岡山 三戸篤史工場長)
「日本はエネルギーが乏しい。昔からあるがごみとしてしか見られなかったものを新たに使いたい」
料理で使った後は、燃料に。使用済みの食用油は地球にやさしい新たなエネルギーとして大きな可能性を秘めています。
国内で1年間に出る使用済み食用油の量はレストランなどの事業系が約40万トン。家庭からは約10万トンです。
バイオディーゼル岡山によりますと、事業系は動物の飼料にするなど再利用が進んでいますが家庭から出たものの大半は焼却されているのが現状だということです。
エネルギー資源として再利用できると知ると捨ててしまうのはもったいないですね。
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