北九州市のJR門司港駅近くで見つかった明治期の鉄道関連の遺構について、日本イコモスなど11団体が世界文化遺産に匹敵するとして、現地での保存を市に改めて求めました。

21日、北九州市役所を訪れたのは7人の専門家です。

◆専門家
「これだけ集まるのは、私は聞いたことない。史上初かもしれないです」

訪れたのは、世界文化遺産の評価を行うイコモスの国内委員会や都市史学会の会長などで、あわせて11の学会の連名で現地保存の要望書を提出しました。

焦点となっているのは、JR門司港駅東側の公共施設の建設予定地で見つかった旧門司駅の関連遺構で、北九州市は今年1月、一部を移築保存すると発表しましたが、議会が説明不足を指摘し移築の予算を認めませんでした。

また、市議会は、丁寧な説明と詳しい調査に基づく記録保存を経て速やかに公共施設を整備するよう求めたため、市は市民への説明を始めているほか、7月にも追加の調査に着手する予定です。

そうした中、21日に行われた11学会合同での要望では、旧門司駅の遺構を全国の近代交通遺構と一体的に世界文化遺産として推薦するに値するとして、適切な調査のほか現地での保存を改めて求めました。

◆日本イコモス 岡田保良委員長
「十分評価をした後、次のステップに移っていくものであって、当初からしないということは行政ではあり得ない。おそらく国際的に誰でもそう思う」

日本イコモスは、危機に瀕した文化財の保護を訴える「ヘリテージアラート」の発出を要請していて、ひとたび失われれば二度と戻ることのない遺構の保護のあり方が大きく問われることになりそうです。

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