ロシアのプーチン大統領が中国を訪れています。きょう行われた習近平国家主席との会談では結束の強さをアピール。中国でも友好ムードが演出されていますが、市民はどう受け止めているのでしょうか。
日本時間の早朝、北京に到着したプーチン大統領。大統領として通算5期目の任期に入ってから初めての外遊先に中国を選び、関係重視の姿勢がうかがえます。
昼に行われた歓迎式典では、習近平国家主席が笑顔で出迎えました。
そのウラでは。
記者
「外国の賓客をもてなす場所の近くには、多くの警察車両が停まっています」
厳戒態勢が敷かれています。プーチン氏があす訪れる予定なのが、黒竜江省のハルビン市。「東方のモスクワ」とも呼ばれる場所です。
記者
「プーチン大統領が訪れるとみられる教会前では、赤い絨毯のようなものが敷かれています」
2年前のウクライナ侵攻以降、西側諸国から制裁を受けているロシアにとって中国は「最重要のパートナー」。
制裁には加わっていない中国は、ロシア産天然ガスなどの輸入を強化し去年、両国の貿易額は2400億ドル=およそ37兆円と過去最高を記録しました。中国を訪れるロシア人観光客も増えていて、メディアも友好ムードを積極的に発信しています。
ロシア人観光客
「とても楽しいです。中国の食べ物も中国のことも好きです」
一方で、北京で話を聞いた市民からは終わりの見えないウクライナ侵攻への懸念やプーチン氏の訪中自体、歓迎していないという声まで聞かれました。
北京市民
「戦争について何らかの立場を示し、方向性を見出せるのか気になります。戦争を早くやめてほしいです」
「彼は戦争犯罪人だ。訪中に強く反対する」
そんな中、迎えた首脳会談では。
中国 習近平国家主席
「両国関係の安定した発展は両国と両国民の根本的利益にかなうだけでなく、地域と世界の平和、安定、繁栄にも資する」
習氏は「互いに信頼できるパートナーとして、両国民の友好を何世代にもわたって強固なものとし、手を携えて世界の公平と正義を維持したい」と関係強化の意向を表明。
これに対しプーチン氏は。
ロシア プーチン大統領
「我々の協力関係は、きょうの国際情勢における最も重要な安定要素の一つである」
ロシア大統領府は国際情勢について意見が交わされたとしていて、ウクライナ情勢もテーマになったとみられます。
西側諸国は中国からロシアへの軍事転用可能な物資の輸出に警戒を強めていて、両国が今後、具体的にどういった分野で協力を深めていくのか注目されます。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。