バイデン米大統領=ホワイトハウスで2024年5月14日、ロイター

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは14日、バイデン米政権が議会に対し、イスラエルに10億ドル(約1560億円)以上の武器の供給を進めることを通知したと報じた。米国はイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファへの大規模侵攻に反対し、一部の爆弾の供給を一時的に停止している。

 同紙は「イスラエルのネタニヤフ首相との亀裂をこれ以上深めたくない米政権の意向が浮き彫りになった」と指摘。イスラエルによる軍事作戦が続く中、バイデン政権への批判がさらに強まる可能性がある。

 報道によると、戦車用の砲弾や戦闘用の車両などが含まれる。議会の承認を得る必要があり、実際に供与されるまでは時間がかかるとみられる。中東の専門家は同紙の取材に「ネタニヤフ氏に対して圧力をかけ、軍事作戦の再考を促すという取り組みを自ら弱めるものだ」と指摘した。

 ガザの人道状況の悪化によって強い批判にさらされてきたバイデン政権は、イスラエルへの爆弾供給を一時的に停止。だがネタニヤフ政権は強硬姿勢を崩さず、亀裂が深まっていた。

 ただこうした中でも、米政権のイスラエルの防衛を支援する姿勢は一貫している。サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は13日、ラファへの大規模侵攻には改めて反対する一方、「イスラエルに武器は送り続ける」とも述べていた。【ワシントン松井聡】

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