ドジャース大谷選手の口座からおよそ26億円を不正送金した銀行詐欺などの罪に問われている元通訳・水原一平被告がロサンゼルスの裁判所に出廷し、無罪を主張しました。無罪の主張は形式的なもので、今後、有罪答弁に転じる見通しです。裁判所前から中継です。
水原被告がカメラの前に姿を現したのはおよそ2か月ぶりとなりますが、集まった報道陣の問いかけに答えることはありませんでした。
「水原さん、一言お願いします」
水原被告は審理が始まる30分ほど前に先月の初出廷と同じスーツにノーネクタイで裁判所前に姿を見せました。少しやせた印象で、表情からは憔悴している様子も見て取れる中、詰めかけたメディアの質問には応じることなく、表情を変えず正面を見つめたまま裁判所内に入りました。
水原被告は大谷選手の口座からおよそ26億円を不正送金した銀行詐欺など2つの罪に問われていて、きょうの審理では起訴内容について無罪を主張しました。
一方で水原被告は検察側との司法取引に合意していて、無罪答弁は裁判官の権限などによる手続き上の形式的なもので、今後、有罪を認める見通しです。
審理が終わった後も報道陣の呼びかけに応じず、裁判所を後にした水原被告。刑事事件に詳しい現地の弁護士は今後の日程について次のように指摘しています。
カリフォルニア州 鈴木淳司 弁護士
「早ければ1週間、2週間で(次の)期日の日程が入ってくるとは思います。刑の言い渡しの日程がチェンジオブプリー(有罪答弁)の日から90日後くらいに設定されます」
一方、審理では開廷の30分前に裁判所側が詰めかけたメディアに対し、「安全上の懸念があり、対応できない」として、急遽、報道陣は隣の法廷に移るよう求められました。
具体的な理由も分からないまま、審理は音声のみでの公開となり、アメリカメディアも含め、裁判所に抗議しましたが、受け入れられませんでした。
現地メディアからは「前代未聞だ」「公の場で行われるべき裁判の原則に反している」など不満の声が聞かれ、異例とも呼べる裁判となりました。
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