米国のハリス副大統領=2024年5月8日、AP

 米国のハリス副大統領が13日、首都ワシントンで、アジア系移民らの政治参加を促進する団体のイベントで、公の場では通常言わない汚い単語を使って「門戸が開かれない時には、ドアを蹴り飛ばさないといけない」と若者らを鼓舞する一幕があった。元検事のハリス氏の失言は珍しいが、会場は予期せぬ発言でむしろ盛り上がった。

 米メディアは単語の頭文字を引用して「F爆弾を投じた」と伝えている。

 ハリス氏はジャマイカ系黒人の父と、インド系の母の間に生まれた。イベントでアジア系にルーツがある初の副大統領になった意義を問われた際、「他人にあなたが何者なのか決めさせてはいけない。あなた自身が自分が何者であるか伝えるのだ」との母の言葉を紹介。人種を理由に自分の可能性が制限される状況を許さないよう助言し、門戸が開かれない場合には、自分で「蹴り飛ばせ」と会場にいた若者らに語りかけた。

 ハリス氏はすぐに「言葉遣いが悪かったです」と笑みを浮かべながら釈明したが、観衆からは歓声が沸き、イベントの司会者は「“蹴り飛ばせ”のメッセージ入りTシャツを作らないといけないですね」と呼応した。

 イベントの様子はホワイトハウスのウェブサイトでライブ中継されており、事後に公表された発言録にも発言通りに掲載された。【ワシントン秋山信一】

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