ラファ検問所を通ってガザ地区へ向かう燃料輸送車=エジプト東部ラファで2023年11月19日午後2時31分、金子淳撮影

 イスラエルはパレスチナ自治政府に対して、エジプトとガザ地区との境界にあるラファ検問所の運営に参加することを提案した。米ニュースサイト「アクシオス」が13日報じた。同検問所は7日にイスラエルが制圧し、人道支援物資の搬入が滞っている。イスラエルには自治政府の参加により搬入を円滑に行う狙いがあるが、自治政府は条件に難色を示している。

 イスラエルは参加の条件として、自治政府職員が「援助委員会」のメンバーとして行動することを求めている。自治政府側はこういった制限に反発している模様で、将来のガザ統治などを見据えた長期的な計画を要求しているという。

 アクシオスによると、治安機関のイスラエル総保安庁(シンベト)の幹部はエジプトに対して「検問所の再開は望んでいるが、ハマスが検問所付近を再び統治することは受け入れられない」と語った。

 ガザ地区は2007年にハマスが実効支配した後、自治政府は追放され、現在はヨルダン川西岸の一部にしか統治は及んでいない。米国は戦後、自治政府がガザ統治を担うべきだとの考えを示し、自治政府も意欲を示している。ただ、パレスチナを国家として認めない方針のネタニヤフ首相は、自治政府のガザ統治関与を否定している。【エルサレム松岡大地】

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