フィリピンが軍事拠点を置く南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンドトーマス礁)を巡り、マニラの中国大使館が比軍高官との電話協議とされる記録を流出させた問題で、フィリピンのアニョ国家安全保障補佐官は10日、流出に関与した大使館員を国外追放する方針を発表した。
アニョ氏は声明で、中国大使館が「偽情報の拡散を度々指揮している」とし、「重罰を与えなければならない」と指摘した。マルコス大統領が承認すれば、館員は国外追放となる。
中国外務省の林剣副報道局長は10日の記者会見で「軽挙妄動をしないよう厳しく要求する」と反発した。
フィリピン紙マニラ・タイムズ(電子版)は、中国大使館側から提供されたとして、1月に行われた比軍西部方面隊のカルロス司令官と中国外交官との電話協議の記録を公開。アユンギン礁の軍拠点への補給活動を制限する中国側の提案について、比軍上層部が承認したとする内容だった。
提案は、フィリピン側が補給を事前通知し、補給船は1隻に限り、中国側の船1隻が同行するというもの。フィリピン側はそうした取り決めはなかったとしている。【バンコク石山絵歩、北京・河津啓介】
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