国連開発計画(UNDP)などが2日、発表した報告書によると、パレスチナの貧困率は57・2%で、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘開始前から2倍以上に増加した。戦闘による経済損失を半年で69億ドル(約1兆600億円)と試算し、戦闘前の経済予測と比較して国内総生産(GDP)の25・8%を失う可能性があるとした。
報告書では、ガザ地区でイスラエル軍の攻撃によって破壊された建物などのがれきを撤去し、再建するには最善の予測でも2040年までかかるとの見通しを示した。昨年10月に始まった戦闘が9カ月続くシナリオでは経済損失は76億ドルに達し、ガザ地区では国連の人間開発指数(HDI)が20年以上前の水準に後戻りするとした。
シュタイナー総裁は声明で「戦争が終わってもガザの苦しみは終わらないことを警告している。前例のない水準での人的損失、資本の破壊、貧困の急上昇は、将来世代の未来を脅かす深刻な開発危機を引き起こす」と訴えた。【ニューヨーク八田浩輔】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。