ガザ地区との境界近くで戦車の上に乗り休憩するイスラエル兵=イスラエルで2024年5月2日、ロイター

 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘を巡り、ハマスは2日、イスラエル側が提案した休戦案について「前向きに検討している」と明らかにした。エジプトメディアなどによると、ハマスはさらなる交渉のため、4日ごろまでに仲介国エジプトの首都カイロへ代表団を派遣し、合意を目指すという。ただ、ハマス壊滅を掲げるイスラエルと、今回の休戦を本格的な停戦につなげたいハマスとの間には隔たりもあり、交渉の行方は楽観を許さない状況だ。

 AP通信などによると、交渉している休戦案は、第1段階として6週間の休戦期間を設け、ハマスが子供や女性など人質の一部を解放する一方、イスラエルが拘束中のパレスチナ人を釈放し、その間にガザの「持続的な平穏」についても協議を始めるという内容。イスラエル側は、第1段階でハマスが解放する人質を40人から三十数人に減らすことに同意したほか、ハマスが求めてきた恒久的な停戦に向けた協議も受け入れた形だ。

 ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は、休戦合意が実現するかどうかに関わらず、ガザ地区最南部ラファへ侵攻する構えを見せている。一方、ハマスはイスラエルが戦闘を再開しない保証を求めており、休戦案にイスラエル軍の完全撤退を明記するよう要求しているとも報じられている。

 米国務省のミラー報道官は2日、「交渉中の案はハマスがこれまでの交渉で要求してきた項目の多くに応えており、ハマスは受け入れるべきだ。いまはハマスが唯一の障壁になっている」と語った。

 ガザ地区では2日も戦闘が続いた。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、中部ブレイジ難民キャンプでは空爆により子供を含む少なくとも5人が死亡。ガザの保健当局は2日、これまでの戦闘による死者は同日時点で3万4596人になったと発表した。【カイロ金子淳】

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