米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=ロイター

 米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を5・25~5・5%に据え置くと決めた。物価上昇(インフレ)が収まらず、23年ぶりの高金利で金融引き締めを続ける必要があると判断した。政策金利の据え置きは23年9月以降、6会合連続。

 FRBは会合後に発表した声明文に「ここ数カ月、2%のインフレ目標に向けた一段の進展が見られない」と明記。インフレ沈静化が難航していると認めた。

 FRBのパウエル議長は会合後の会見で「インフレ率が2%に向かって低下していくとの確信を深めるまで、利下げは適切ではない」との従来の見解を踏襲。「『確信』を得るには、以前考えていたより長い時間がかかりそうだ」と述べ、利下げ開始が遅れるとの認識を示した。一方、「次の動きとして利上げの可能性は低い」と明言し、市場で浮上していた追加利上げへの懸念を打ち消した。

 3月の米消費者物価指数は前年同月比3・5%上昇。直近のピークの22年6月(9・1%上昇)に比べ鈍化しているが、依然としてFRBが目標とする2%を上回っている。

 FRBは24年中に3回利下げのシナリオを示しているが、市場では「利下げできても年内1~2回程度」(米証券アナリスト)との見方が出ている。【ワシントン大久保渉】

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