米国のガーランド司法長官は4月30日、連邦政府のマリフアナ(大麻)の規制を緩和し、医療目的での使用を認めるようホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)に提言した。主要米メディアが報じた。審査などを経て、司法省麻薬取締局が最終決定する見通し。大麻の合法化には至らないが、州レベルに続いて連邦レベルでも緩和が一段と進むことになる。
米国では、乱用や依存症のリスクに応じて規制薬物を5段階に分類している。大麻は乱用の恐れが高く、医療用の使用も認めない「スケジュール1」(ヘロインや幻覚剤など)に分類されてきた。しかし、バイデン大統領は厚生省や司法省に規制緩和の検討を指示。身体的な依存症になるリスクが低・中程度で、医療用の使用を認める「スケジュール3」(ケタミンや筋肉増強剤の一部など)に2段階引き下げる方針が決まった。
ピュー・リサーチ・センターによると、大麻の使用は全米50州のうち24州と首都ワシントンで合法で、他に14州が医療用に限って合法化している。同センターの1月の世論調査では、57%が「医療用・嗜好(しこう)用とも合法化」、32%が「医療用に限って合法化」を支持していた。黒人や若者の支持が特に高い。バイデン氏には11月の大統領選に向けて、大麻の規制緩和をアピール材料にする狙いがあるとみられる。【ワシントン秋山信一】
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