アサド政権が崩壊したシリアで反体制派の中心となっている「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)のジャウラニ指導者は14日、シリア空爆を続ける隣国イスラエルについて、イランの部隊が撤退した今、「シリアに介入する口実はない」と訴えた。地元テレビ局のインタビューで語った。政権崩壊後、ジャウラニ氏がイスラエルについて言及するのは初めて。
ジャウラニ氏は、イスラエルのシリア空爆は「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えており、正当化できないと批判。一方で、イスラエルとは対立する立場にないとも主張した。アサド政権の後ろ盾となっていたイランに関しては、シリアや近隣諸国に脅威をもたらしたと非難し、「イランの部隊のシリア駐留を終わらせることができた。イラン国民は敵ではない」と語った。
イスラエルは、アサド政権が保有していた兵器が過激派組織の手に渡るのを防ぐためだとして、シリアの軍事基地などへの攻撃を続けている。イスラエルのカッツ国防相は13日、軍に対して、占領地ゴラン高原の周辺にある軍事的要衝ヘルモン山のシリア側で冬の間、駐留し続けるように命じた。【エルサレム松岡大地】
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