米国で東部ニュージャージー州を中心に正体不明の無人航空機(ドローン)の目撃情報が相次いでいる。トランプ次期大統領は13日、自身のソーシャルメディアへの投稿で「政府は国民に(情報を)知らせろ。さもなければ、撃ち落とせ」と主張した。
バイデン政権は「安全保障上の脅威があるとの証拠はない」「目撃情報の多くが実際は有人機のようだ」としているが、国民の間には不安感が広がっている。
トランプ氏は「謎のドローンが米国のあちこちで目撃されている。政府が知らないところで、こんなことが起きるだろうか。そうは思わない。今すぐ国民に(情報を)伝えろ」と述べた。
「謎のドローン」は11月中旬以降、ニュージャージー州周辺で目撃情報が相次いでいる。州内にあるトランプ氏の別荘や軍事施設の付近にも飛来したという。比較的大型で、「スポーツタイプ多目的車(SUV)ほどのサイズだった」との証言もある。
2023年に米国上空で見つかった中国の「スパイ気球」のような偵察行為を疑う声もある中、カービー大統領補佐官(広報担当)は12日の記者会見で、ドローンを外国の勢力が操作している形跡はないと説明し、沈静化を図った。
ただ、目撃情報は隣接する東部ニューヨーク州やペンシルベニア州でも出ている。
ニュージャージー州選出のアンディ・キム連邦上院議員(民主党)は13日、X(ツイッター)への投稿で、12日夜に州当局者と共に「謎のドローン」を目撃したと動画付きで紹介。「我々の技術をもってして、まだ正体を特定できないのは理解に苦しむ」と政権の対応に苦言を呈した。【ワシントン秋山信一】
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