中国国旗=ゲッティ

 旧日本軍が多数の中国人を殺害した「南京事件」から87年となる13日、江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」で犠牲者の追悼式典が開かれた。中国では日本人が殺傷される事件が相次いでいることもあり、全ての日本人学校は同日、児童生徒らを登校させず、休校やオンライン授業とした。

 中国では今年6月24日に江蘇省蘇州市でスクールバスを待っていた日本人母子らが襲撃されたほか、9月18日には広東省深圳市で日本人学校に登校中の男子児童が刺殺される事件が発生。中国当局は容疑者の動機などの詳細を明らかにしていないが、9月18日は満州事変の発端となった柳条湖事件から93年の日だった。

 南京事件の追悼式典が行われる12月13日も反日感情が高まる可能性があり、中国本土と香港にある日本人学校12校のうち7校が休校、5校はオンライン授業に切り替えたという。

 また、在中国日本大使館も今月6日、中国に滞在する邦人に対し、外出の際に注意するよう呼びかけた。

 今年は中国政府が12月13日を「国家追悼日」に定めてから10年の節目だったが、式典には習近平国家主席ら共産党最高指導部メンバーは出席せず、対日関係への配慮をうかがわせた。

 式典で演説した李書磊・共産党中央宣伝部長は「日本の侵略者によって殺害された全ての犠牲者を追悼する」と述べたうえで、「我々は団結して平和を維持し、正義を守ることを堅持する必要がある」と強調した。【北京・岡崎英遠】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。