ロイター通信は10日、シリア治安筋らの話として、占領地ゴラン高原の非武装地帯(DMZ)を越えてシリア領内に侵入したイスラエル軍が、首都ダマスカスの南西約25キロ地点まで到達したと報じた。
イスラエル軍は8日にシリア側に侵入し、ヘルモン山の山頂などを制圧。ヘルモン山はシリア側を見渡せる軍事的要衝で、イスラエルのサール外相は9日、「限定的で一時的なものだ」と主張し、侵入は過激派組織の動きを監視するためだとしていた。
ただ、シリアのアサド政権崩壊の混乱に乗じた占領地拡大の動きの可能性もあり、サウジアラビア外務省は声明で「シリアの安全保障の回復の機会を台無しにするものだ」と非難した。
一方、イスラエル軍は反体制派に武器などが渡るのを防ぐためとして、シリアの軍事基地などを空爆している。サール氏は9日、軍がシリアの化学兵器や長距離ロケット弾の備蓄が疑われる場所を標的にしたと説明した。空爆は今後、数日は続く見通しという。【エルサレム松岡大地】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。