韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領に対する弾劾訴追案の採決が行われるのに合わせ、首都ソウルの国会前では7日、可決するよう求める市民の大規模なデモが実施された。中央日報によると、午後4時半時点で約10万人が集まった。ソウル市内では、尹氏を支持する対抗集会も開かれた。
尹氏は3日夜に「非常戒厳」を宣布し、野党や国民から厳しい非難を浴びた。弾劾支持派の集会に参加した人々は「尹錫悦を弾劾しろ」と書かれた紙を持ち「民主主義を守ろう」などと訴えた。
参加者の女性、チョ・サランさん(27)は「私は元々は保守寄りだったが、国民を無視する非常戒厳の宣布には（平穏な）生活が終わったと思った。本当に嘆かわしい気持ちになり、デモに来た。日本でもこの声をぜひ知ってほしい」と取材に話した。
一方、ソウル市中心部の光化門前では、尹氏を支持する団体の集会が開かれた。参加者は「尹錫悦大統領、万歳！」などと声を張り上げ、弾劾訴追案の否決を訴えた。
韓国メディアによると、警察はソウル市内に警官約1万2000人を配置し、厳戒態勢で備えた。地下鉄の運営会社は7日、駅が混雑していることから、国会周辺の駅には停車しない措置をとった。【ソウル日下部元美】
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