米西部カリフォルニア州の当局が押収した熊の着ぐるみ。保険金詐欺の目的で悪用された=州当局提供

 米西部カリフォルニア州当局は13日、熊になりすまして高級車に傷を与え、保険金をだまし取ろうとしたとして、容疑者4人を刑事訴追したと発表した。容疑者は保険会社に証拠の映像まで提出していたが、調査の結果、熊の着ぐるみで変装していたことが判明した。

 州当局の発表によると、今年1月、ロールスロイスの高級車「ゴースト」に熊が侵入し、ドアの内側や座席に引っかき傷が付いたとの訴えに基づき、保険金の請求があった。提出された監視カメラの映像には、熊らしき動物が車内に侵入する様子が映っていた。

 不審に思った保険会社の通報を受けて当局が捜査を開始。ほぼ同じ時刻、場所で別の高級車が被害に遭ったとする請求が他にも2件、別々の保険会社にあったことが判明した。請求額は計14万1839ドル(約2190万円)に上った。

 映像の分析を依頼された州の自然保護部局の生物学者は「人間によるなりすまし」と判断。容疑者の自宅の捜索で、熊の着ぐるみが押収された。【ワシントン秋山信一】

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