ウクライナ東部ハリコフへの攻撃で使用された北朝鮮製とみられるミサイルの部品を示すウクライナ検察庁関係者=1月、ハリコフ(ロイター)

【ロンドン=黒瀬悦成】英紙テレグラフ(電子版)は25日、北朝鮮からロシアに武器を輸送しているとみられるロシアの貨物船が中国の港に停泊していることが、英政策研究機関「王立防衛安全保障研究所」(RUSI)の入手した衛星画像で判明したと伝えた。国連安全保障理事会決議違反となる北朝鮮による武器輸出を中国が支援している実態を裏付けるもので、中国への国際的批判が改めて高まるのは必至だ。

ウクライナを侵略したロシアは武器や弾薬の不足を解消するため北朝鮮から弾道ミサイルなどの供給を受けていると指摘される。

衛星画像には、露貨物船「アンガラ」が今年2月から中国東部浙江省にある中国最大級とされる造船所に停泊している様子が写っている。同船は昨年8月以降、北朝鮮の武器や弾薬が入っているとみられるコンテナ数千個をロシアの港に輸送したとされる。

中国の造船所では修理や機器のメンテナンスをしているとみられるという。

同紙によると、米国務省報道官は同船が中国に停泊し係留されているという情報を認識しているとした上で、中国当局にこの問題を提起したことを明らかにした。中国を訪問中のブリンケン米国務長官と中国高官との会談でも議題の一つになる見通しであることも示唆した。

国連安保理決議2397号は、北朝鮮との貿易を規制し、関連の違法行為に関与した船舶の登録抹消を義務付けている。

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