アメリカ連邦最高裁は2021年の議会乱入事件を巡り、トランプ氏が主張する「免責特権」を認めるかどうかについて口頭弁論を開き、全面的な免責には懐疑的な見方を示しました。

 トランプ氏は、2020年の大統領選挙の結果を覆そうと支持者をあおって議会乱入事件を引き起こしたなどとして起訴されています。

 この起訴を巡ってトランプ氏側は、選挙の不正を防ぐために大統領として行った「公務の範囲内」で免責特権が認められると主張しています。

トランプ前大統領
「大統領には免責特権が認められるべきだ。免責特権がなければ形式的な大統領に過ぎないことになる」

 連邦最高裁で25日に開かれた口頭弁論では「全面的な免責」には懐疑的な見方が示されました。

 一方で多数派の保守派判事からは、公務に対しては一定の免責を容認する声も上がり、明確な結論は示されませんでした。

 また、ロバーツ最高裁長官は下級審に差し戻し、起訴の対象となったトランプ氏の行為が「私的か公的か」を判断させる可能性も示唆しています。

 差し戻しとなれば議会乱入事件の公判開始の時期がさらに遅れ、選挙戦への影響を抑えたいトランプ氏にとっては有利な展開となります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。