11月の米大統領選で初当選を目指す民主党のハリス副大統領(59)が8日のABCテレビの番組で、仮に現職大統領だった場合に過去4年間でバイデン大統領(81)と違うことをしたかを問われ、「思い浮かばない」と答える場面があった。ハリス氏は候補の若返りによる「刷新感」が武器の一つだが、政策的な違いが乏しいことを自ら認める形になった。
ハリス氏はバイデン氏との違いについて「家族や両親への思いは、共通しているが、感受性は異なる。女性や子供への暴力の問題を気にかけており、小規模ビジネスを大事に思っている。そうした経験は政権運営に影響するだろう」と説明した。
しかし、過去4年間の政策判断の違いについては「思い浮かばない。影響のある意思判断の大半に関わってきた」と述べた。その後、別の話題になった時に「共和党員を閣僚に入れる計画がある。バイデン氏との違いの一つになるだろう」と「差異」を強調した。
ハリス氏は一部の経済政策を除くと、独自の具体的政策を説明していない。トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「カマラ(ハリス氏)は番組出演のたびに“替え玉”だとさらされる。米史上最悪の大統領であるジョー・バイデンと違うことはしなかっただろうと言った。インターネットは大騒ぎだ」とからかった。
ただ、世論調査ではハリス氏とバイデン氏は必ずしも同一視されていない。米紙ニューヨーク・タイムズの9~10月の調査では、46%がハリス氏の方が「変化を体現している」と答え、トランプ氏(44%)を上回った。【ワシントン秋山信一】
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