中東レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師を殺害したイスラエル軍。首都ベイルート中心部にも攻撃範囲を広げ、対立する他の勢力に対しても攻撃を強化していて、さらなる情勢の悪化が懸念されています。
ヒズボラとの戦闘を激化させてきたイスラエル軍。27日、レバノンの首都ベイルート郊外にあるヒズボラの本部を攻撃したと発表しました。
イスラエル ガラント国防相
「ヒズボラの指導者ナスララ師を排除した」
ヒズボラの指導者ナスララ師を殺害。「これで終わりではない」として攻撃を続けていて、レバノンでは過去2週間で1000人以上が死亡、避難民の数は人口のおよそ5分の1にあたる100万人に達した可能性があるということです。
30日には、一連の戦闘で初めてとみられるベイルート中心部への空爆も実施し、ロイター通信によると、イスラエルと対立するパレスチナ解放人民戦線の幹部3人が死亡しました。さらに…。
イスラエル軍は29日、イエメンの反政府勢力フーシ派が使う港や発電所などを空爆したと発表しました。
イスラエル軍が攻撃対象を拡大していることについて専門家は。
放送大学 高橋和夫 名誉教授
「イスラエルはこれまでガザの戦争に力を入れていた。それが一段落したということで兵力に余裕が出た。それを使ってヒズボラやイエメンのフーシ派を叩く。そういう意味では今がチャンス」
また、懸念されているレバノンへの地上侵攻についてはイスラエルの目指す「北部の住民の帰還」を達成するため、実行の可能性が高いとしています
放送大学 高橋和夫 名誉教授
「空軍だけでそれが達成できるのかというのは、かなり疑問ですから。陸上部隊を侵攻させるという可能性が高いとみています」
事態の推移をアメリカ政府も注視しています。
アメリカ バイデン大統領
「(Q.中東の全面戦争は回避できますか)回避しなくてはならない。本当に」
また、バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談する見通しを明らかにしました。
カービー大統領補佐官
「ヒズボラやイラン、さらにイラクやシリアの武装勢力が反応するかもしれない。何らかの反応に備えなくてはいけません」
カービー大統領補佐官は、不測の事態に備えた追加の部隊が中東地域に展開していると説明するとともに、レバノンにいるアメリカ人に対して商用機が運航している間に国外に退避するよう呼びかけています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。