米国南部を中心に、9月26日からハリケーン「ヘレン」による洪水や土砂崩れの被害が相次ぎ、CNNによると、少なくとも計93人が死亡した。南部ノースカロライナ州では600人の安否が不明になっているとの情報もあり、死者数はさらに増える可能性がある。
今回の災害対応は、11月の大統領選の論点にも浮上。共和党のトランプ前大統領は29日の選挙集会で、民主党のハリス副大統領が「災害時に選挙資金集めをしている」と批判した。
報道によると、ヘレンは26日に南部フロリダ州に上陸し、内陸部に向けて北上。大統領選の接戦州であるノースカロライナ、南部ジョージア両州でも洪水などによる被害が拡大した。29日夜時点で200万世帯以上が停電。ジョージア州のケンプ知事は「被災地は、竜巻や爆発が起きた跡のようだ」と衝撃を語った。AP通信によると、被害総額は最大260億ドル(3兆7000億円)に達するとの推計もある。
トランプ氏は29日に東部ペンシルベニア州で開いた集会で「広範囲で壊滅的な被害が出て、多くの人が亡くなっているのに、ハリス氏は資金集めイベントに参加している」と批判。30日にはジョージア州の被災地を訪問し、記者会見を開く。
一方、ハリス陣営は、トランプ氏が27日の選挙集会で被災地に向けて「我々はずっとあなたたちと共にある。あなたたちは大丈夫だ」と発言していたことについて、「この時点で既に死者が報告されていた」と指摘。トランプ氏の見通しが甘かったと批判している。【ワシントン秋山信一】
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