各国の首脳らが一堂に会し、自国の立場を表明する国連総会(193カ国)の一般討論演説が24日、米ニューヨークの国連本部で始まった。混迷を深める中東情勢や長期化するロシアのウクライナ侵攻、地球規模の課題に対応した国連改革などに焦点が当たりそうだ。
グテレス事務総長は冒頭の演説で、国際法を踏みにじる「不処罰の世界」が広がっているとし、地政学的な分断を背景に「ますます多くの国々が、説明責任を負うことなく、やりたい放題をしている」と危惧。紛争や気候変動など複合的な危機に対処するため、国連憲章と国際法の価値に基づく多国間主義の立て直しを訴えた。
24日には退任前最後の国連総会となるバイデン米大統領、今年7月に就任したばかりのイランのペゼシュキアン大統領が演説に臨む。
パレスチナ自治区ガザ地区における即時の停戦実現と紛争拡大の防止を求める声が高まるなか、26日にはイスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長が登壇を予定している。ロシアの侵攻から3年目を迎えたウクライナのゼレンスキー大統領は25日に演説するほか、24日にはウクライナ情勢を協議する安全保障理事会にも出席し、対露圧力を強める。
国連総会に合わせてニューヨークを訪問した岸田文雄首相と上川陽子外相は自民党総裁選(27日投開票)のため一般討論演説を見送り、日本は山崎和之国連大使が演説する見通し。
一般討論演説は30日まで続く。【ニューヨーク八田浩輔】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。