ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が23日、米ニューヨークの国連本部で開かれた「未来サミット」で演説した。「世界は平和な未来と持続可能な開発を必要としている」と強調。加盟国に改めてウクライナ支持を呼び掛けた。
演説では「国際の平和及び安全を維持する」ことなどが記された国連憲章に「反対し、結束を弱めようと動き回る人がいる」と指摘。サミットで採択された成果文書「未来のための協定」の採決直前にロシアが北朝鮮やイランなど6カ国を巻き込んで修正案を提示したことを念頭に、こうしたグループが憲章の実効性を高める取り組みに「常に反対している」と批判した。
また、ウクライナが提唱する和平案を協議するための「世界平和サミット」の第2回会合について、全ての国と指導者に参加を呼び掛けた。最後は「プーチン(露大統領)は多くを奪った。だが、世界の未来を奪うことはできない」と演説を締めくくった。
ゼレンスキー氏は前日22日に米国に到着し、その足でバイデン米大統領の出生地、東部ペンシルベニア州スクラントンを訪れ、ウクライナに供与する砲弾を生産する工場を視察した。
26日にはホワイトハウスでバイデン氏と会談する。米メディアによると、その場で「勝利計画」を提示する見通しという。ハリス副大統領とも会談する。
ゼレンスキー氏はかねて、返り咲きを狙うトランプ前大統領との会談も希望していた。トランプ氏は週内に「たぶん」会うことになるとしているが、日時は不明だ。【ニューヨーク中村聡也】
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