米ニューヨークで中国の王毅・共産党政治局員兼外相(右手前から2人目)と会談する上川陽子外相(左)=外務省提供

 国連総会出席のため米ニューヨークを訪問中の上川陽子外相は23日(日本時間24日)、中国の王毅・共産党政治局員兼外相と約55分間、会談した。上川氏は中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件について、厳正な処罰と再発防止などの対応を要求。両氏は在留邦人の安全確保策について外交ルートで協議することで一致した。

 上川氏は刺殺事件について①動機を含む事実解明と説明、厳正な処罰と再発防止②在留邦人、特に子供の安全確保の具体的措置③悪質で反日的なSNS(ネット交流サービス)の取り締まり――を要求。これらが両国間の「交流の障害になっている」との認識を示し、事態改善へ向けた取り組みを求めた。

 また、上川氏は国際原子力機関(IAEA)の下でモニタリングを拡充する東京電力福島第1原発の処理水について、中国側が参加した追加的なモニタリングを早期に実施し、日本産水産物の輸入規制の撤廃に向けた「目に見える進展を着実に示したい」と述べた。【小田中大】

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