米ホワイトハウスで、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領(左)を出迎えたバイデン米大統領=2024年9月23日、秋山信一撮影

 イスラエルが23日にレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの大規模空爆に踏み切り、500人近い死者が出たことは、外交による緊張緩和を図ってきたバイデン米政権の顔に泥を塗る形となった。

 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦闘を巡っても、バイデン政権はイスラエルの強硬姿勢に手を焼いており、中東での指導力低下が浮き彫りになっている。

 「イスラエルとレバノンの最新状況の報告は受けている。私のチームはカウンターパートと連絡をとり、緊張緩和に動いている」。バイデン大統領は23日、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領との首脳会談の冒頭でこう強調した。

 しかし、バイデン氏の言葉と裏腹に、レバノン情勢は悪化の一途をたどっている。17、18日に起きたポケベルや無線機の一斉爆発にもイスラエルが関与した疑いがあり、民間人が多数巻き添えになった。一連の緊張激化は、バイデン政権が以前から恐れていたことだった。【ワシントン秋山信一】

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