ロシア軍の哨戒機が23日に北海道・礼文島付近の領空を侵犯し、警戒に当たった航空自衛隊の戦闘機が火炎弾(フレア)による警告を実施したことについて、香田洋二・元海上自衛隊自衛艦隊司令官は「空自機はロシア機に対し、領空に入ってこないよう伝えるためにフレアを放ったと考えられる」と指摘する。
領空を侵犯する恐れがある航空機に対し、通常は無線で警告したり、翼を振って伝えたりと段階を追って信号を送るが、「それでもコースを変えない場合にはフレアや機関銃を使って警告することはある。ただし、空自のスクランブル機も地上の司令部と連絡を取り、正規の手続きにのっとり、警告としての射撃を行ったはずだ」と解説する。
元陸上自衛隊北部方面総監の志方俊之・帝京大名誉教授も「日本側の措置としては、領空侵犯に対してきちっと警告を発しており正しく対応したと言える」と言及。ロシア側がこのような行動に出た理由については「意図的だとしたら、ウクライナ情勢が混迷する中で、プーチン大統領が極東へも対応していることをロシア国内向けに示そうとしたのではないか」と述べた。【垂水友里香、竹田直人】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。