中国の深セン市で日本人学校の男子児童が刺されて死亡した事件を受け、柘植外務副大臣は中国外務省の孫衛東外務次官と会談し、悪質で反日的なSNSの投稿の取り締まりを徹底するよう求めました。

北京を訪れている柘植芳文外務副大臣は、きょう午前、孫衛東外務次官とおよそ80分にわたり会談しました。

日本外務省の発表によりますと、会談で柘植副大臣は、▼一刻も早い真相解明と明確な説明を求めるとともに、▼日本人の安全を確保するための具体的措置を強く求めました。

また、根拠のない悪質で反日的なSNSの投稿について取り締まりを徹底するよう求めたということです。

これに対し、孫外務次官は「児童はすべての国において優先的に守られるべき対象であり、我々は今回起きたことに驚愕している」としたうえで、「いかなる暴力にも断固反対し、断固取り締まる」と述べたということです。

中国のSNS上では、日本人学校に対する虚偽の情報が拡散されており、一部のアカウントは閉鎖されたものの、限定的な措置にとどまっています。

日本政府としては、日本人学校への誤った認識を広める恐れがあるこうした情報の削除を求めることで、再発防止につなげたい考えです。

一方、中国外務省の林剣報道官は、会談について「双方は中日関係を重視し、発展させる立場を改めて強調し、戦略的互恵関係を全面的に推進するために努力することで同意した」と発表。「偶発的な個別案件が両国関係に影響を与えることを避けることで同意した」と述べました。

また、日本側が反日的なSNSの削除を求めたことについて、「中国には、いわゆる反日教育と日本を憎む教育は存在しない」と主張し、「私たちが歴史を鏡にすることを主張するのは、憎しみを継続させるためではなく、戦争の悲劇を繰り返さないためだ」と述べました。

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