レバノン各地でイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが所有するポケットベル(ポケベル)が遠隔操作で一斉に爆発した事件で、ブルガリア政府の治安機関は19日、国内で登録された会社の関与について調査していると発表した。東欧メディアは、イスラエルによる工作とみられる事件に、首都ソフィアにある会社が関わっていた可能性があると報じていた。
報道によると、関与の疑いが持たれているのは、ノルウェー国籍の人物が所有する「ノルタ・グローバル」社。2022年に登録されたが、住所地にオフィスはなく、所有者とされる人物がブルガリアに入国した形跡もなかったという。
治安機関の発表によると、問題のポケベルはブルガリアの税関で扱われたことはなかった。ただ、この会社が160万ユーロ(約2億5000万円)をハンガリーに送金した記録があったという。
爆発したポケベルは台湾メーカーのブランド使用権を持っていたハンガリーの「BACコンサルティング」社が製造したとされる。米紙ニューヨーク・タイムズはBAC社がイスラエルのフロント企業だったと報じている。
一方、BAC社の社長は18日、米NBCテレビの電話取材に台湾メーカーとの取引があったことを認めたが、ポケベルの製造は行っておらず「仲介業務だけしていた」と述べたという。【エルサレム金子淳】
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