国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は13日、パレスチナ自治区ガザ地区で行われていたポリオ(小児まひ)の1回目のワクチン接種が12日に終わり、目標としていた接種率90%を超えたと発表した。
イスラエルとイスラム組織ハマスが、接種期間中に地域と時間を限定して行った一時休戦は終了した。ガザ地区の停戦交渉は引き続き難航しており、停戦は見通せていない。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日、56万人以上の子どもがワクチンを接種したと明らかにし、「悲劇的な日常生活の中での大成功だ」とX(ツイッター)に投稿した。ワクチン接種は10歳未満の64万人が対象だったが、戦闘による死者や他国への避難者がおり、実数はより少ないとみられる。
WHOは、10月中旬にも2回目のワクチン接種を目指しており、その際にも戦闘の一時休止を求める方針だ。
接種は、1日からガザ地区中部、南部、北部の順で行われ、接種中の地域では午前6時から昼過ぎまで、戦闘が休止された。ただ9日には、予防接種の支援のために入った国連の車列がイスラエル軍に足止めされ、職員が拘束される事態も起きた。
停戦交渉を巡っては、イスラエルのネタニヤフ首相がエジプトとガザの境界地帯に軍の駐留を要求。ハマスは軍の完全撤退を求めており、妥協点は見出せていない。【エルサレム松岡大地】
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