食品の物価高騰などで消費が低迷している中国で今、日本企業が出店攻勢を強めている。中国での事業を加速させる背景を取材した。
■味だけではなく…安さも大きな魅力
天麩羅 えびのや この記事の写真上海中心部に出店して1周年となる、大阪の企業が展開する「天麩羅 えびのや」。揚げたての天丼は中国の人にも大好評のようだ。
取材したのはランチタイム。80席が満席という盛況ぶりだった。
海老二本丼厨房(ちゅうぼう)をのぞくと、本格的に調理される天ぷら。人気はエビが2本とイカ、白身魚などが入った海老二本丼で、お値段は日本円でおよそ1000円。なぜ、天丼が人気になっているのか。
なぜ、天丼が人気に? 上海フジオフード副総経理 謝民さん「多くの中国の人が日本に旅行に行って、(日本で食べた)天丼の味を覚えていて。上海に戻ってきたら、全く日本と同じ味(に喜ぶ)」
人気なのは味だけではない。
値段の安さも大きな魅力 来店客「リーズナブルだと思います。このあたり(繁華街)は割と高いから、このような値段はうれしいです」
経済が停滞し、節約志向が高まっているという中国では、値段の安さも大きな魅力のようだ。
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■回転すし店も進出 一番人気はマグロ■回転すし店も進出 一番人気はマグロ
スシロー低価格路線を打ち出し、新規の出店も相次いでいる。回転寿司チェーンのスシローは先月、北京1号店をオープンさせた。
10時間待ちの行列も開店初日には600組以上が来店、一時は10時間待ちの行列もできたという人気ぶり。
来店客「(Q.マグロをたくさん注文しましたね。マグロは好きですか?)はい、マグロは北京では高いです」 一番人気のマグロ
一番人気はマグロで、日本円で1皿およそ200円だ。
こだわりは? F&LC 荒谷和男執行役員「(Q.こだわりは?)おいしいものをより安くというか。この価格で、こんなにおいしいのかと思われるような。おすしに対するおいしさですね」
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■うどん→焼き肉丼に替えて再進出■うどん→焼き肉丼に替えて再進出
新規の出店は上海でも…。
肉のヤマ牛1日に上海に1号店をオープンしたのは、肉のヤマ牛。手掛けるのは、丸亀製麺などを展開するトリドール・ホールディングスだ。
中国市場への再挑戦かつて、丸亀製麺を中国本土でおよそ50店舗まで広げるも、新型コロナの影響で2年前に閉鎖。中国市場への再挑戦となる。
炭火仕上げの牛カルビ焼き肉丼その手段に選んだのが丼だった。炭火仕上げの牛カルビ焼き肉丼(日本円でおよそ500円)が看板商品だ。
日本で培った経験やノウハウを生かし、低価格で攻勢をかける。
「大きな展開を目指していきたい」 トリドールHD 杉山孝史副社長「今の中国での消費ニーズにしっかり合った形で展開することで大きな展開を目指していきたい」
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■介護サービス業などの進出増加か■介護サービス業などの進出増加か
新たに中国に進出する日本企業は、外食産業だけではないようだ。
中国進出の日本企業数帝国データバンクが先月発表したデータでは、中国に現地法人や生産拠点などを有する日本企業数はおよそ1万3000社に上り、コロナ禍で中国事業の撤退や縮小が相次いだ2年前に比べておよそ300社増加したという。
人気が高まる日本食レストランのほかに、少子高齢化が進む中国に対し、介護サービス産業などが増加傾向で推移するとみられるとしている。
中国では「日本」がブランドに中国事情に詳しい中島恵さんは、「中国では『日本』がある種のブランドになっている。中国で日本料理は超富裕層しか行けないというイメージだったが、それが行けるようになった。ただ、中国人は熱しやすく冷めやすい。メニューをどんどん変えるなどしないと生き残ることは難しい」と話した。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年9月11日放送分より)
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