中国で定年を段階的に延長することが決まりました。少子高齢化に伴う労働力の減少に歯止めをかけたい考えですが、市民には抵抗感があるようです。
中国国営の中央テレビによりますと、中国の国会にあたる全人代=全国人民代表大会の常務委員会はきょう、来年1月1日から15年かけて定年を段階的に延長することを決めました。
男性は現在の60歳から63歳に引き上げ、女性は幹部は55歳から58歳に、その他の職員は50歳から55歳に引き上げるということです。
少子高齢化が急速に進む中国では2035年ごろまでに60歳以上が4億人を超え、労働人口が大幅に減少すると予測されており、今回の議論はこうした問題に対処するためとみられています。
北京市民は…
北京市民
「国としては定年延長は良いかもしれませんが、個人的にはちょっと…。(定年延長により)孫の面倒をみられなくなるかもしれないし」
「一部の人は定年延長しても大丈夫だと思うが、体力が必要な仕事をしている私にとっては不公平だと感じます」
若い世代からは…
北京市民
「(若者の就職に)影響が出ますよ。仕事の数は限られているので、辞める人がいないと若者は就職できないですよ」
定年延長により若者の就職難に拍車がかかるのではないかと懸念する声もあり、今回の決定には「若者の起業や就職を支援する」という文言が盛り込まれています。
また、定年延長に伴い年金のルールも変更され、年金を受け取るための保険料を支払う期間は現在の15年から20年に段階的に延長されるということです。
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