北朝鮮国営の朝鮮中央通信は13日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が核兵器研究所と核の生産施設を現地指導したと伝えた。金氏は「核の生産基盤をより一層強化すべきだ」と述べ、核物質の増産を指示した。北朝鮮としては初公開となるウラン濃縮施設の視察も報じられた。
今回訪問したウラン濃縮施設の場所や日時は明らかにされていない。米韓当局はこれまで、平安北道(ピョンアンプクド)・寧辺(ニョンビョン)や首都・平壌の南西に位置する降仙(カンソン)にウラン濃縮施設があるのを確認している。国際原子力機関(IAEA)は6月に、降仙の施設が拡大していることを明らかにしていた。
朝鮮中央通信によると、金氏は核物質の増産を確認し「自衛のための核兵器を幾何級数的に増やすには、今の成果に満足してはいけない」と指摘。ウランの濃度を高める遠心分離機の増設や新型の遠心分離機の導入を指示した。
金氏は核兵器の生産工場も視察した。「米国に対応し、けん制するには核戦力を軸とする自衛的国防力と先制攻撃能力を絶えず拡大・強化していく必要がある」と強調。核兵器に必要な核物質の生産について、新たな目標と課題を提示した。目標の中身は明らかにしていない。【ソウル日下部元美】
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