11月の米大統領選に向けた候補者討論会で、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)は人工妊娠中絶を巡るやりとりの中で、隣に立つ共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)に対し、「政府とドナルド・トランプ(氏)は、女性が自分の体をどうするか指図すべきではない」と語った。
米国では、連邦最高裁が1973年に人工妊娠中絶を憲法上の権利だと認める判断を示した。しかし、トランプ氏が大統領在任中に保守派判事3人を指名したことで保守化した最高裁は2022年6月、憲法判断を49年ぶりに覆し、各州の判断で中絶を禁止することを容認した。
トランプ氏は最高裁判断について「勇気ある決断」と評価した。これに対し、ハリス氏は、連邦議会が中絶の権利を回復する法案を可決すれば、「大統領として誇りを持って署名する」と強調。さらに「トランプ(氏)が再選されれば、中絶禁止法案に署名するだろう」と批判したが、トランプ氏は「うそだ。禁止法に署名しない」と反論した。【ワシントン西田進一郎】
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