トランプ前米大統領=2024年4月22日、AP

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は22日、自身のソーシャルメディアで、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用禁止につながる法案について「責任はジョー・バイデン(大統領)にある」と投稿した。自身が在任中に禁止を推進したことは棚に上げて、TikTok禁止の動きを批判し、利用者が多い若者層に自身への投票を促した。

 トランプ氏は投稿で「TikTok禁止は、バイデン氏が友人である(米IT大手メタが運営する)フェイスブックの利益や独占強化につなげるためにやっている」との持論を展開。「若い人たちは11月5日の大統領選で投票する時、このことを覚えておかなければならない」と述べ、バイデン氏支持の傾向が強い若者層の切り崩しを図った。

 連邦下院では20日、TikTokの運営企業の親会社である中国企業「北京字節跳動科技(バイトダンス)」に米国事業の360日以内の売却を求め、応じなければアプリ配信を禁止する法案が可決された。上院でも週内に可決される可能性が高まっており、バイデン氏も可決されれば署名する方針だ。

 トランプ氏も大統領在任中には同様の規制方針をとっていたが、最近になって「個人情報保護に関しては他の企業にも同様の問題がある」などとして、規制強化に反対する姿勢を示していた。米メディアはバイトダンスの大株主でもある共和党支援者に配慮した可能性を指摘しているが、トランプ氏は否定している。【ワシントン秋山信一】

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