米空軍と国防高等研究計画局(DARPA)は、人工知能(AI)による自律飛行試験機が2023年9月にF16戦闘機との空中近接戦闘(ドッグファイト)の模擬戦を初めて実施したと発表した。事故を起こさずに無事に模擬戦は終了。勝敗は明らかにされていないが、米軍は「良いパフォーマンスを見せ、航空宇宙分野の飛躍的進歩となった」と評価した。
米メディアによると、試験機はF16をベースに改良されたもので、性能を確かめたり、緊急時に操縦を代わったりするために2人が搭乗していた。有人のF16との1対1の模擬戦は2週間にわたって実施。試験機は最高時速1920キロで、垂直方向への飛行も行い、搭乗員に操縦を交代する場面もなかった。
米空軍は、F22ステルス戦闘機の後継機開発を含む「次世代航空優勢(NGAD)」計画を進めている。主力の有人戦闘機は、センサーやミサイル発射の機能を担う多数の無人戦闘機とネットワーク化して運用する構想を描いている。AI自律飛行機の試験成果も、無人機開発に生かされる見通しだ。【ワシントン秋山信一】
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