米連邦議会=ワシントンで2018年4月9日、高本耕太撮影

 米下院外交委員会のマコール委員長(共和党)は9日、民主党のバイデン政権が2021年にアフガニスタンから駐留米軍を撤収させたことに関する報告書を公表した。「バイデン・ハリス政権が同盟国の反対を無視し、一方的に撤収を決めた」と批判。一方、ホワイトハウスは、混乱は20年に共和党のトランプ政権(当時)がイスラム主義組織タリバンと結んだ合意にあると反発している。

 アフガンからの米軍の撤収を巡っては、20年にトランプ政権が米軍の完全撤収やタリバンが国内でテロ組織の活動を許さないことなどを柱とする和平合意を締結した。バイデン政権も、当初の合意から撤収時期はずれ込んだものの、8月末に撤収を完了させた。

 ただ、撤収完了直前にタリバンが首都カブールを制圧したうえ、カブールの空港近くで自爆テロが発生。米兵13人を含む180人以上が死亡するなど混乱した。

 報告書は「バイデン・ハリス政権が安全よりも、どう見られるかを優先した。あらゆる事態を想定して計画を立てることを怠った」と指摘。米国の国際的な信用が損なわれたと非難した。

 共和党側は11月の大統領選に向けて、アフガンでの混乱の責任がハリス副大統領を含むバイデン政権にあるとの批判を強めている。【ワシントン松井聡】

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