大西洋に浮かぶスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島で、過度に観光客が押し寄せる「オーバーツーリズム」に対する反発が強まっている。ロイター通信などによると、20日には数千人の島民が「観光客の制限」を求めて抗議デモを実施した。
報道によると、人口220万人のカナリア諸島には2023年、1400万人の観光客が訪れた。美しいビーチに恵まれ、年間を通じて温暖な同諸島は「大西洋の楽園」などと呼ばれ、英国やドイツなど欧州北部からの観光客に人気だ。
カナリア諸島の域内総生産(GDP)のうち観光業は35%を占める経済の柱だが、近年はホテルの建設ラッシュが続き、現地の住宅費が高騰しているため、結果的に地元住民が住宅を買えなくなる事態も起きているという。
20日のデモでは、島民が「住んでいるのは私たちだ」「カナリア諸島には(受け入れの)限界がある」などと記したプラカードを掲げて行進した。同諸島の当局は今後、不動産購入に対する審査を強化する方針という。【ロンドン篠田航一】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。