11月の米大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領(共和党)は5日、自身のソーシャルメディアへの投稿で、米司法当局が4日に「ロシア政府が大統領選でトランプ氏を当選させるために米国内で情報工作をしていた」と示唆する捜査結果を公表したことについて「選挙干渉だ」と批判した。
米司法省は4日、プーチン露大統領の側近が統括する形で、ロシアによる米世論の誘導工作が行われた疑いがあると発表。ロシア政府がウクライナ侵攻を巡り、トランプ氏が勝利した方が自国に好都合だとみていると示唆する情報も公開した。
これに対して、トランプ氏は「司法省は民主党が選挙で有利になるように選挙干渉している」と批判した。2016年の大統領選に際して選挙干渉を図ったロシアとトランプ陣営が共謀したとの疑惑が出た後、司法当局の捜査で「共謀の証拠はない」と結論づけられたことを踏まえ、今回も「ロシアを巡るでっち上げを復活させようとしている」と訴えた。
また、プーチン氏が5日に冗談めかして「ハリス氏支持」を公言したことに触れて「米司法省は『ロシアがトランプ氏を助けている』と言おうとしているが、それは虚偽だ。プーチン氏がはっきり言ったように、彼は(民主党の)カマラ・ハリス同志(副大統領)が就任した方がずっと良いと考えているのだ」と述べた。
トランプ氏は、ロシアとウクライナの早期和平を訴えている。また、副大統領候補のバンス連邦上院議員は米国の対ウクライナ支援の継続を疑問視する。トランプ陣営が勝利した場合、ロシアに有利な形で戦争を終結させようとする可能性が指摘されている。【ワシントン秋山信一】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。