米共和党のトランプ前大統領(左)と実業家のイーロン・マスク氏=AP

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は5日、当選した場合に「政府効率化委員会」を設立し、実業家のイーロン・マスク氏(53)をトップに起用する構想を明らかにした。連邦政府の不正や無駄を検証するのが目的で、マスク氏が提唱していた。

 トランプ氏は5日にニューヨークで開かれた経済団体のイベントで講演し、「マスク氏の提案で、政府効率化委員会を設立する。連邦政府全体の予算や事業を包括的に監査し、抜本的な改革案を提案する役割を担う」と表明。不正や不適正な支出を見直すことで、公金の無駄遣いを減らせるとした。

 マスク氏は5日、トランプ氏の講演に先立って効率化委員会の構想が報じられた際、X(ツイッター)で「機会があれば、米国に奉仕するのを楽しみにしている。報酬も、肩書きも、評価も必要ない」と意欲を見せていた。

 マスク氏は7月のトランプ氏の銃撃事件後、トランプ氏への支持を表明していた。米軍や政府の事業を請け負う宇宙企業「スペースX」や電気自動車(EV)大手「テスラ」を率いるマスク氏が公職に就く場合、自身のビジネスへの利益誘導につながらないようにする歯止めが難しいとの指摘もある。【ワシントン秋山信一】

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