トルコのエルドアン大統領(右)と握手を交わすエジプトのシシ大統領=アンカラで2024年9月4日、ロイター

 エジプトのシシ大統領は4日、トルコの首都アンカラを訪問し、エルドアン大統領と会談した。両国は2014年のシシ政権発足以降、関係が悪化したが、近年は歩み寄りを進めてきた。

 両首脳はエネルギーや防衛、貿易などの分野での協力深化で一致し、関係改善を印象づけた。エジプト大統領のトルコ入りは、12年のモルシ前大統領の訪問以来となった。

 会談では、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘など中東の地域情勢についても協議した。AP通信などによると、エルドアン氏は共同記者会見で「トルコとエジプトはパレスチナ問題で同じ立場だ」と述べ、ガザでの即時停戦の必要性を強調。シシ氏も「地域が直面している危機や課題に向け、両国の協力は不可欠だ」と語った。

 イスラム教を重視するエルドアン政権は、11年の民主化要求運動「アラブの春」で誕生したエジプトのイスラム組織「ムスリム同胞団」主導のモルシ政権を支援した。そのため、モルシ政権を倒して誕生したシシ政権とは関係がこじれた。

 しかし、数年前からトルコが関係改善にかじを切り、昨年7月には互いに相手国に駐在する大使を10年ぶりに任命。今年2月にはエルドアン氏がエジプトを訪問していた。【カイロ金子淳】

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