米ミシガン州イコースのUSスチールの製鉄所=2024年4月4日、大久保渉撮影

 バイデン米政権は4日、日本製鉄によるUSスチール買収計画を阻止する方向で最終調整に入った。米紙ワシントン・ポストやロイター通信など複数のメディアが、事情に詳しい関係者の話として報じた。近く正式発表する見通しという。

 日本製鉄によるUSスチール買収計画は、米国にとって安全保障上の懸念がないか、対米外国投資委員会(CFIUS)が審査をしている。CFIUSが問題があると判断すれば米大統領の権限で買収を阻止することができる。

 米ホワイトハウスは毎日新聞の取材に「CFIUSはまだ大統領に勧告を出していない」と答えた。

 買収計画には民主党の支持基盤である米鉄鋼労働組合(USW)が反対している。

 11月の米大統領選を控え民主党候補のハリス米副大統領は2日、USスチールについて「米国内で所有、運営されるべきだ」と述べ買収に反対の姿勢を示した。共和党候補のトランプ前大統領も再選すれば買収を阻止すると明言している。

 報道を受け、4日のニューヨーク市場でUSスチールの株価は一時約20%下落した。【ワシントン大久保渉】

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