米大統領選に無所属で立候補する意向を示していた弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)は23日、選挙運動を中止し、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)を支持する方針を明らかにした。大統領選の結果を左右する接戦州での情勢に影響を与える可能性がある。
ケネディ氏は故ジョン・F・ケネディ大統領のおいで、父の故ロバート氏も連邦司法長官を務めた。名門一家の「異端児」として、バイデン大統領とトランプ氏の高齢対決を嫌う有権者の一部を取り込んできたが、バイデン氏の撤退表明を受けて支持率が低下していた。
西部アリゾナ州フェニックスで演説したケネディ氏は、冒頭で民主党批判を展開し、自身の選挙戦については「勝利への現実な未知があるとは思っていない」と説明。民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)とトランプ氏が競り合っている接戦州で投票用紙から自身の名前を取り下げると表明する一方、他の州では残す可能性もあるとした。
ケネディ氏の演説を受け、トランプ氏は「非常に素晴らしい支持を得た。彼は偉大な男で誰からも尊敬されている」と歓迎した。トランプ氏は、ケネディ氏が撤退して自身を支持すれば再選後に要職起用を検討する考えを明らかにしていた。
ケネディ氏は環境問題に通じた弁護士として広く知られる。近年は新型コロナウイルスやワクチンをめぐり事実に基づかない陰謀論を繰り広げ、親族の多くが政治的な距離を置いている。【ニューヨーク八田浩輔】
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