イランによるイスラエルへの報復攻撃をめぐり、アメリカやイギリスなど5か国がイランに自制を促す共同声明を出すなど外交努力が続けられています。一方、イスラエルでは、最悪のシナリオを想定した準備が進められています。

イスラム組織ハマスやレバノンを拠点とするヒズボラとの交戦が続くイスラエル。イランは自国の領土でハマスの最高指導者ハニヤ氏が殺害され、イスラエルへの報復を明言していますが、その攻撃は「早ければ今週中の可能性がある」と指摘されています。

そんななか、私たちが訪れたのは、イスラエル・テルアビブ近郊にある救急当局。通報の受信や救急車の出動指令を担うオペレーションセンターは、緊張感に包まれていました。

イスラエル救急当局 災害管理担当者
「いま緊急警報が出ました。イスラエル南部に緊急警報です。これはイスラエル軍の警報システムからの情報です。迫撃砲による攻撃だったようです」

このオペレーションセンターでは、軍からの情報を24時間体制でモニタリングしていました。

イスラエル救急当局 災害管理担当者
「いつでも出動できる人員を増やして警戒態勢を整えています。30分もあれば救急通報に対応できる人員をこの部屋に集めることができます」

救急当局では、けが人が多く発生する状況を想定し、救急車両を通常時よりも多く配備。輸血用の血液のさらなる確保など、「最悪のシナリオ」を想定した準備が進められています。

記者
「報復攻撃の標的の1つとして指摘されるのが、イスラエル軍の本部です。ここテルアビブの中心地にありまして、周囲は民間の施設に囲まれています」

攻撃の標的には「イスラエル軍の本部」の可能性も含まれると指摘されていて、軍の本部は市内中心部に位置し、民間人への被害が一層懸念されています。

住民
「不安です。例えば、バスに乗っているときも“いま何か起こるのではないか”と、いつも本当に恐ろしいです」

イスラエルの当局者は民間人に被害が出た場合、「必要以上の反撃を行う」と警告していて、緊迫した状況が続いています。

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