X(ツイッター)のライブ配信で対談したトランプ前米大統領(左)と実業家のイーロン・マスク氏=AP

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領が12日、著名実業家のイーロン・マスク氏と対談し、X(ツイッター)でライブ配信した。新たに民主党候補になったカマラ・ハリス副大統領に注目が集まる中、話題を作る狙いがあったが、配信が約45分遅れるトラブルに見舞われた。

 トランプ氏は約2時間にわたり、移民政策や連邦政府の債務問題、エネルギー政策など幅広い話題で質問に答えた。130万人以上がライブ配信に参加した。

 ただ、7月のトランプ氏の銃撃事件後に支持を表明したマスク氏は今回、基本的にはトランプ氏の言い分を聞くだけだった。「歴史的な対談」というトランプ陣営の触れ込みは看板倒れに終わった。

 トランプ氏が東京電力福島第1原発事故に関して「2000年は現地に戻ることはできないと言われていた」と発言した際には、震災後に福島県を訪問した経験のあるマスク氏が異を唱え、「地元産の野菜も食べた」とたしなめる一幕があった。トランプ氏はなおも「最近体調が悪いそうじゃないか」と軽口をたたいた。

 マスク氏はトラブルについて「(大量のデータを送りつけて接続を妨害する)DDoS(ディードス)攻撃があったようだ。事後に未編集の音声を公開する」と説明した。

 ハリス氏の陣営は配信後の声明で「トランプ氏の選挙運動は、自らやマスク氏のような自己中心的な金持ちのためにある。彼らはライブ配信すらまともにできない」と皮肉った。【ワシントン秋山信一】

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