実業家のイーロン・マスク氏が保有するX=旧ツイッターは6日、一部の企業が協調してXへの広告出稿を取りやめたのは違法だとして業界団体などを提訴しました。
WFA=世界広告主連盟は国際的な広告主団体で、ブランド保護などを目的にデジタル広告出稿で留意すべき指針を設けています。
訴状によりますと、Xは広告主らがWFAの指針に沿って歩調を合わせ、集団で一斉に広告の出稿を取りやめることは▼市場の競争を阻害するほか、▼消費者の利益を損なうとして、日本の独占禁止法にあたる反トラスト法違反だと主張しています。
マスク氏は、Xの前身である旧ツイッターの投稿の管理が過剰だとの問題意識で買収した経緯があり、広告主の間では買収実施前からXを活用することへの懸念が広がっていました。Xは、おととし10月の買収直後には18社が広告出稿を取り下げたとしていて、集団による出稿の取り下げで数十億ドルの損害があったと主張しています。
マスク氏は去年11月に自身のX上で、反ユダヤ主義的な投稿に賛同を示したことでディズニーなどが広告を停止するなど対立してきましたが、今回の訴訟を「戦争だ」と投稿していて、溝がさらに深まるのは必至です。
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