2020年に起きた火災で被害を受けたイラン中部ナタンツにある核施設の建物=2020年7月2日、イラン原子力庁提供・WANAロイター

 イラン中部イスファハンで19日あったイスラエルによるとみられる報復攻撃について、米ABCニュースは同日、米政府高官の話として、イスファハン近郊ナタンツにある核施設を防護するレーダー設備が標的だったと報じた。イラン国外からイスラエルの戦闘機がミサイル3発を発射したとしている。

 報道によると、攻撃はイスラエルが核施設を損傷させる能力があることをイランに伝える目的だったという。ナタンツには、核兵器の材料である濃縮ウランを作る地下施設がある。

 ただ、米CNNテレビは衛星画像の分析を基に、標的になったとされるイスファハン近郊の空軍基地では目立った被害はなかったと報じた。爆発による大規模なクレーターや破壊された建物などは確認されていないという。

 イラン国営メディアによると、米ニューヨークを訪問中のイランのアブドラヒアン外相は19日、イスファハン上空で3機の無人航空機(ドローン)を迎撃したと述べ、被害はなかったと主張した。

 イランは13日、在シリアのイラン大使館を空爆されたことへの報復として、ドローンや弾道ミサイルなど300発以上をイスラエルに向けて発射した。米国やイスラエルの当局者は米メディアなどに対し、イスラエルが19日にイランに報復攻撃を実施したと明らかにしたが、イスラエルは公式には認めていない。【カイロ金子淳】

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