イスラエル軍と戦闘を続けるイスラム組織ハマスは、最高指導者・ハニヤ氏がイスラエルに殺害されたと発表しました。中東情勢へどのような影響があるのでしょうか?
30日に撮影されたハニヤ氏の様子。ハマスを支援するイランの大統領と会談し、その後、大統領の宣誓式に出席していました。その、翌日…
「シオニストの襲撃によって殺害された」
ハマスは、ハニヤ氏が滞在先のイランでイスラエルによって殺害されたと発表。
ハマストップのハニヤ氏。どのような人物なのでしょうか。
イスラム組織「ハマス」最高指導者 イスマイル・ハニヤ氏
「テレビを見て。見て。我々の旅団がイスラエル軍から四輪車を奪って持って帰った」
去年10月、ハマスがイスラエルを襲撃した日の様子です。
イスラム組織「ハマス」最高指導者 イスマイル・ハニヤ氏
「この勝利を神に感謝してひれ伏しましょう。神よ、私たちの民と国家のために勝利を成し遂げてください」
ハニヤ氏は1962年、ガザ地区で難民として生まれ、2017年、ハマスの指導者に選出されました。
アメリカのトランプ前大統領がエルサレムをイスラエルの首都にすると発表したことについては…
イスラム組織「ハマス」最高指導者 イスマイル・ハニヤ氏
「エルサレムは私たちの永遠の首都であり、パレスチナ国家の首都であり、エルサレムのアイデンティティはトランプやネタニヤフの決議によって変更されることはありません」
現在はカタールを拠点にしているとみられ、停戦交渉の協議を進めてきました。
ハマスがイスラエルによるものと主張する今回の襲撃。専門家は「ネタニヤフ首相の政治的思惑にかなっている」と指摘します。
放送大学 高橋和夫名誉教授
「(ハニヤ氏殺害を受けて)ハマスとしてはイスラエルとの停戦交渉、人質の解放交渉をスムーズに進めさせるわけにはいかないという雰囲気が強くなる。ハマスの方から(交渉から)降りてくれれば、『ほら、俺は交渉したいんだけど、しょうがないじゃないか』という言い訳ができます」
また、イランで殺害することで、「ハマスを支援するイランのメンツを潰す」思惑があるといいます。
放送大学 高橋和夫名誉教授
「イランとしてはやはり、イスラエルに対して何らかの報復を考えざるを得ないというところに追い込まれるかもしれません。(イランが)ある意味キレてしまえば、本当に中東全域を巻き込む戦争になる可能性が高いと思います」
イスラエル軍は30日にレバノンの首都に空爆を行い、イランが支援するイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の司令官を殺害したと発表したばかり。さらなる情勢の悪化が懸念されます。
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