東南アジアのラオスで始まったASEAN関連の外相会議。注目される国の一つが北朝鮮です。その北朝鮮と中国との間で溝が深まっているのではないかとの見方が出ています。

こちらは6年前、北朝鮮の金正恩総書記が中国・大連で習近平国家主席と会談したことを伝えた、北朝鮮の記録映画です。

記録映画
「両国の最高領導者は大連市の海辺を散策し、温まる話をされました」

2人が歩いた道にはその後、記念の足形が設置されました。

ところが…

記者
「ちょうどこの辺りに足跡をかたどった記念碑があったはずなんですが、現在、アスファルトに覆われていて見えなくなっています」

足形がなくなった理由は明らかになっていませんが、韓国メディアは中国と北朝鮮の関係に異変が感じられる出来事として報じています。

その背景として指摘されるのが、北朝鮮とロシアの蜜月ぶりです。金総書記は先月、ロシアのプーチン大統領と会談。有事の際の軍事支援を明記した新たな条約に署名しました。

韓国政府の関係者は、ロシアと北朝鮮が関係を深めることに対し、北朝鮮への影響力を持っておきたい中国が不快感を示しているとの見方をしています。

さらに、韓国の大手紙・東亜日報は韓国政府筋の話として、中国に滞在する許可の期限が迫っている北朝鮮の労働者を一斉に帰国させるよう、中国が北朝鮮当局に求めたと報じました。

北朝鮮の従業員
「(Q.中国にはいつごろ来ましたか?)4年ぐらい経ちましたね。(Q.帰りたいですか?)そうですね」

中国北部の飲食店で働く北朝鮮の従業員に話を聞いてみると。

北朝鮮の従業員
「(Q.中国が追い出すと聞いたけど?聞いたことある?)ないよ。聞いたことないよ」

中国外務省も報道について「聞いたことがない」としています。

北朝鮮には今週、ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルイジェンコフ外相が訪問していて、ロシアの同盟国との関係強化にも乗り出しています。

関係を深める北朝鮮とロシア。それにいら立ちを見せる中国。ASEAN関連外相会議にはこの3か国も参加する予定で、互いの距離の取り方も会議の見所となります。

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